日常

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矢崎 涼(ヤザキリョウ)は、額から流れる汗を手の甲で乱暴に拭いながら歩いていた。 日の光が眩しくて足元に視線を落とせば舗装されていない砂利道が眼に入る。 「…アスファルトよりはまし、なのかな?」 田舎くさいこの町も嫌いではない。むしろこの砂利道は、夏は暑さを吸収してくれて多少は涼しいし、冬はその逆で暖かい。 良いじゃないか、田舎道… そんなことを思いながら、母から持たされたお土産のスイカを担ぎ直し、目的地へと気合いを入れ直した。image=392835152.jpg
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