217人が本棚に入れています
本棚に追加
健闘も虚しく、ゴブリンDが、爆弾を握った右手を大きく振りかぶる。
ゴブリンD:
「この詐欺師がッ!!」
その叫び声と共に、奴はこちらに向かってそれを全力投球してきた。
ボンッ!!
オレの足元で爆弾が炸裂し、中から濃霧のようなガスが噴出しはじめる。
…これはっ…!?
アルライト:
「目があああ!目があああ!」
オレは網膜のあまりの痛さに、涙を流しながら顔を覆った。
…これはっ…催涙弾っ…!!
それの効果範囲はかなり広域だったらしく、兵士どもの咳き込む声が聞こえる。
ディエル:
「くっ…これじゃ相手の位置がわからない…!」
近くから、苦しそうなジャイアンの声も聞こえる。
…どうやらオレ達は、全員被弾してしまったようだ。
しかしそんな中、ジャイアンは何かを感じとったらしく、彼女の方から剣を構える金属音が聞こえた。
ディエル
「…感じる…!
…右後方に邪悪な気配を…!」
…さすがは鬼軍曹。
この状況下で敵の位置を察知するとは…。
…あれ?…でもジャイアンの右後方って確か…
ディエル:
「そこだっ!!」
ズバッ。
アルライト:
「ぎゃああああああああ!!
ねえたまそれオレっ!!」
最初のコメントを投稿しよう!