1

14/160
前へ
/291ページ
次へ
 しかし、一時間ほどしたころ、こんな話も飛び出した。  「実は私の選挙区で困ったことがありまして」  「ほう、なんですか」  「いやあ、道路と林野の問題で。それぞれ予算が下りるのかどうか、ちょっと尋ねてくれと言われてまして」  先輩二人ということと、酒が口を軽くしたのか、大川はこんなことを尋ねた。 「ああ、A道路とK山地のことでしょう」  さすがに、二人は、大川の選挙区の懸案を熟知していた。 「まあ、はっきり約束はできませんが、その件は明日にでも主計官に話しておきますよ」  と小島が言った。
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加