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「ぜひ、よろしくお願いしますよ」  それを待っていたかのように、岩田が口を開いた。 「実は、私どもも困ったことが起きまして」 「なんだい、岩田君、せっかくの酒が台無しだろう」  小島はたしなめるかのようだが、迫力がない。 「申し訳ありません。じゃあ、やめましょう」  と岩田がいったん引き取ろうとした。  大川は、そう言われると、返ってなんのことか聞いてみたい気が起こった。 「いやいや構いませんよ。おっしゃってください」 「よろしいですか」  と岩田は、小島の方を見る。小島は、よし行けという感じで岩田を見返した。
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