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もう何年も前にことになる。パール・ローヤルの兼山の事務所に大川がぶらりと寄った。その時、山田という若い秘書が出てきて、容易に入れようとしない。 「申し訳ありません。しばらくお待ちください」 と言って、ドアに鍵をかけて奥に引っ込んだ。しばらくして、ドアが開き、筆頭秘書の川原が出てきた。 「先生、すみません。ちょっと立て込んでいるのですが、うちのオヤジに聞きましたら、大川先生なら大丈夫ということなので、お入りください」 と慌てて言う。
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