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それならいつでもよいはずだが、「できるだけ早くお会いしたい」とせき立てるようだった。 「まあ、いいでしょう。来週の金曜日に、先方の都合でキャンセルになった会合があるので、その日の夜ではどうですか」 「かまいません。場所はこちらで用意しますので、後ほど秘書の方に連絡しておきます。それから、国税庁長官の岩田も、ぜひ同席したいと言っております。彼も都立K高校の出身なんです」 「存じております。構いませんが、それだけのことで、国税庁長官が同席するのですか」 「官房副長官時代を含め、先生にはいろいろお世話になり、ありがたく思っております。今後ともよろしくお願いしたいと思っている次第です」 確かに、官房副長官の時には、秘書官が財務省からの出向だったので、この秘書官の誘導に乗り、結果的に財務省の有利な取り扱いをしたことも覚えがあるが、しかし、官房副長官なんて、どうでもいいポスト。財務省の都合のいいように取り計らうべき仕事は、総理秘書官の財務省出向者がうまく片づけたはずだ。
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