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不気味だった
笑顔で話しかけてくるこの女
敵意が感じられない、子供のような顔だった
「・・・」
こいつも【こっち側】の人間なのだ
俺と同じで普通じゃない
なのに・・・
「あの?」
「・・・何だ、よ」
「名前」
「あ?」
「名前、教えてくれないかな」
そう女は言った
普通だった
普通じゃないここで普通の会話
それが何より・・・嫌だった
「俺にかまうな」
「どうして?」
「うざったいんだよ。お前が」
ハッキリと嫌悪感を伝えてやる
関わりたくないから
だが女は別に驚いた様子もなくこう言った
「冷たくしないでよ。ただ普通に話したい、だけ」
苦笑いをしながら言った
やめろ
そう言いかけた時
「高尾一志(たかおかずし)君」
教師がそう言った
いつの間にか近くに来ている
全然気がつかなかった
「何だよ!」
「はい、落ち着いて。葛城さんはまだここをよく知らないですから」
「だからそれが何だよ!?」
「私のような年寄りがあれこれ言うよりも、高尾君が仲良くしてあげる方が良いと思うんですよ」
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