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「お疲れ様です。川原さん」
川原と呼ばれた男は一瞥もせず学校の中へ入っていった
「おい。川原!」
慌てて別の男が昇降口へと来る
「お疲れ様です。佐伯さん」
「おう。お疲れ」
そう言って佐伯と呼ばれた男も中へと入っていった
・・・
・・・
「お前は用はないだろ。帰れ」
川原は隣に並んだ佐伯にそう言った
「お前な。挨拶くらいはするのは普通だろが」
「必要ない。挨拶するくらいならマシに動け」
「・・・けっ」
これ以上話しても無駄
そう思った佐伯は黙った
ふと足が止まる
二人同時に
中庭に少女がいた
何かを探している様子だ
「あれさ」
佐伯が口にだした瞬間
「Bクラス」
川原がそう答えた
「・・・そ。相変わらず資料によく目を通しているようで」
近づく川原
その後を追う佐伯
少女がこちらに気づく
何か考え、立ち上がり足早に去ろうとした
が、それを見越してか川原が少女の手を掴む
「・・・嫌っ!痛っ」
そのまま力任せに引き寄せる
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