その1

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なんとなく、そう言われるんじゃないかってことは分かっていたような気がする。 だから、私はあまり驚かなかったし、嫌がって引き止めることもしなかった。 すんなりエイジの話、うけいれていた。 その翌日、エイジの部屋が空っぽになっていた。 その何も無い部屋を見ていたら、今までの楽しかった思い出がよみがえってきて・・・。 その時はじめてエイジがいなくなったことを実感できたような気がする。 だけど、涙はでなかった。 なんでだろう? 私たち3年も付き合ってきて、楽しいこといっぱいあったし、それなりに幸せだったし。 だけど、終わっちゃうとこんなもの?みたいな感じ。 心にぽっかり穴があいたみたい。 それからの私は、空の色が違って見えて、周りの音もうまく聞こえない。 ただボーっとして毎日を過ごすだけ。
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