左側の彼

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恋愛経験のない俺は、何をしていいのかわからず、俺の部屋でお茶を飲む、超普段通りの那由多に動揺していた。 何ですかその余裕。お兄さんにも少し分けなさい。 あまり意識しないでみようものなら、見事に逆効果。 何か喋んないと嫌われるのかとか、恋人と親友は違うから普段通りじゃ恋人とは言えないんじゃないかとか、余計な事を考えてしまう。 さらに、何だか変に那由多を意識してしまい、ぎこちない動きになってしまった。 「霧涼、何かキモい」 「キっ……!?」 挙げ句、那由多からキモい発言。俺のココロハボドボドダー! 「し、仕方ないだろう?誰かと付き合うなんて初めてなんだし、その、いつも通りにしようとしても、うまくいかないんだ」 開き直ってこっ恥ずかしい言い訳をしてみれば、那由多の眉がぎゅっと寄る。 そんなに怒らんでも……。 .
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