左側の彼

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「アホはそっちでしょう?何で僕がヘタレ霧涼に突っ込まれなきゃならないわけ?」 「突っ込……!?俺はそこまで言ってない!ただ男役は俺だと思ってただけで……!」 何て恥ずかしい事を堂々と言うのこの子は! まぁ、俺もあまり人の事を言えないが、自分の事となると別だ。 顔を真っ赤にさせて慌てる俺に、那由多さんは呆れ顔。 「同じ事でしょう?だいたいこの僕がネコに回るわけないじゃん」 「だが、俺より可愛いし、背も小さいし……」 「バカにしないでよね。まだ成長期なんだから。今のままでも僕は充分だけど……」 そこで一度思案する那由多。 じっと俺を見て、何か思いついたのかまた不敵な笑みを浮かべた。 正直に言って、俺には嫌な予感しかしない。 .
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