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ぱくぱくと口を開けるが、声が出ない。
あと一歩踏み出せずに、鷹松君の袖を無意識に引っ張ってしまった。なんだか縋るようで情けない。
腐男子だろう霧涼!しっかりせんか!
「けっ……京……?」
何故疑問形?
自分で自分にツッコむ。失敗してしまったかと、京を目だけで盗み見れば、鼻から赤いものを出して完全に固まっていた。
ちょ、ティッシュあげるから取り敢えず拭きなさい。
「大丈夫か?鼻血キャラでいくのか?いいのかそれで」
「いいわけあるか!」
ですよねwwww
京の鼻血を拭いてやり、嫌がる彼に無理やりつっぺをねじ込んだ。
「ぶっ」
「んなっ!て、テメェがやったんだろうが!」
「そうなんだが、ふふっ阿呆面、はははっ」
「わ、笑うな!」
イケメンが台無しである。
京はつっぺをすぐ取ってしまったが、その姿は俺の脳裏にばっちりと焼き付いてしまっている。
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