01

3/11
前へ
/166ページ
次へ
たいして広くもないけど、地元じゃ大通りって言われている道に沿って、学校へ向かう。 車が通るたびに吹き付ける熱風に顔をしかめながら歩いていると、 視界の左端から黒いモノが飛び出してきて、目の前を横切った。 それは子猫だった。黒色の。 …わかってますよ。その子に何の罪もないことなんて。 でも、でも、こんな時に私の前を横切らなくてもいいじゃん! 呆れて見つめる先、子猫は無邪気に雑草にじゃれつく。 しかし、何を思ったか急に道路へと走り出した。 「危ない!」 前からは1台のトラック。 子猫が驚いて道の真ん中で立ち止まる。 ……やるしかない。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!

481人が本棚に入れています
本棚に追加