第一章

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坂を上がり泥道を下ると、きれいな港に出た。港はレンガ造りで美しい外観だった。まるでラヴニカのギルドの中みたいに、騎士、魔法剣士、魔導師、などなどの人が集まり船で世界を廻るのだろう。 「船代はいくらですか?」 クロイツは船着き場のオヤジに言った。「ああ、船代はね540ホロルだよ」 ホロルとはこの世界の共通紙幣のようだ。日本円にして1ホロル0.7円だ。 「あれ?俺ら金持ってへんで?」 ぼりぼりと、頭を掻きながらジンは言った。 「物でも良いんだがね?」 「物か…。」 「物で言えばその後ろの黒髪の、兄さんの担いでる剣でちょうど位だね」 「ああ、これのことか?」 俺は剣をオヤジに渡した。 「えっ?ええんか?隼人はん?」 「ああ、どうでもいい剣だからな。」 「じゃあ、のろか」 「ああ、」 俺らは船に乗った。
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