第6章 クリッパー 仙崎狂介

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    「動けるか?ちょっと外へ出て貰いてぇ  んだ!」 筋肉質の男が1人で荷台の中に戻って来ると、大地に声を掛けた。 「クソッ、ちょっと1人じゃ 立ち上がれそうに無いな」 大袈裟に顔をしかめ大地は答える。 「チッ、しょうがねえな、ほらよ!」 舌打ちした男がゴツイ手を、大地に差し出す。 「悪い!」 差し出された手に大地が手を合わせ握った次の瞬間、男の身体が硬直したかの様に動きを止めた。 筋肉質の男を見上げニヤリと大地が笑う。 力強い腕が大地を引き上げ立たせる、立ち上がった途端大地の身体が、男の胸に向かってよろけた。 「酷い目に合わせちまった、スマン! まさか!仲間が俺を消そうと考えてたな んて、気付かなかったぜ! どうすりゃいい 、 、 、 」 大地の耳元に顔を寄せた男が囁(ささや)く。 「あぁ、暗くて俺だって分からなかった んだろ、しょうがねえよ。 奴の手前こうするしか、なかったって分 かってた、気にするな。 取り敢えず他の奴らが来る前に、 外の奴何とか出来るか?」 大地も潜めた声で男へ、素早く言葉を返した。 「あぁ、楽勝だ、ちょっと待っててくれ」 大地をその場に立たせ小さく笑うと、男は踵(きびす)を返し、荷台から外へ再び出て行った。   
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