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痴呆の様に、口からヨダレを垂らす男の前から、大地は立ち上がった。
小屋の外から数人の男の話し声が、微かに聴こえて来たからだ。
足音を殺し入口へ向かい、壁のスイッチで室内の照明を消す。
暗闇の中で小さくカーテンに隙間を作り、外の様子を覗う。
例のトラックの横に、4人の男のシルエットを見付け、大地は音を発てぬ様ドアを開け、そっと小屋を抜け出した。
「おい、山木(やまぎ)はどうしたよ!?」
闇の中を大地は男達へ気配を殺し近付いて行く。
荷台に背を預けた筋肉質の男を囲み、新たに現れた3人の男達が、問い詰めている様だった。
「ああ、コンビニへタバコを
買いに行ってる!」
適当な返事をしながら、男は大地が3人の男達の背後に、立った事に気付き、小さく笑った。
「なぁーに笑ってやがる。
何かヤバイ事になったって電話
貰ったからよ、速攻駆け付けたっての
に 、 、 、
お前ぇはガキん時から、
脳天気だかんなぁ」
3人の男の中の1人が、呆れた様に筋肉質の男に文句を言う。
と突然、文句を言っていた男の顔面に、筋肉質の男の拳が打ち込まれ、背後に佇む大地の足元に、ひっくり返って来た。
間髪入れず大地の靴底が、倒れた男の腹に減り込んだ。
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