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助手席側のドアを開け、浅井が歩道に降り立ち、コンビニへ向かって歩いて行く背を、伸夫は眺めながら、後ろの荷物が無事この世から、何事も無く消えてくれる事を祈った。
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「兄貴ぃ、聞いて良いスか?」
台車に乗せた木枠付き、ダンボール箱の底ブタの上に、女の体に毛布とクッションを当て行(が)い、体育座りの様に座らせ、ビニール紐(ひも)で固定し終えた伸夫が、後は上箱を被せガムテープで、
箱を封印すれば良い所まで来て、立ち上がった浅井に声を掛けた。
「あぁん、どうした?」
「いえ、俺良くテレビドラマとかで死体
がこう、固まったみてえになって、無理
矢理手足を折り曲げてるってシーン、観
てたのに、何だか楽な作業だったなっ
て、思っちまって」
ダンボール箱の底ブタに、収まった女の死体を、しゃがんだまま眺める伸夫が応える。
「あぁ、お前ぇが言いてぇのは、死後硬
直のこったろぅ、このベッピンさんは死
んでからまだそんなに、時間が経って無
ぇからな!
お前ぇもこれからうち(組)の裏稼業で、
場数を踏んできゃ分かって来る事だが、
まぁ良いか、早めに覚えといて損は無え
しな。
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