プロローグ

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「頭を低くして!前の席にしがみ付くようにして下さい!」  キャビンアテンダントのお姉さんが悲痛な叫び声で乗客みんなに指示を出している。  俺は素直に従って安全姿勢とかいう姿勢を取ったけど、正直なとこ、この姿勢がどれだけ役に立つのか疑わしかった。  というのも、海外のドキュメント番組を見ると、飛行機が堕ちたときの生き残り方って、墜落のケースによって違うからだ。  決して今みんながやっている安全姿勢のお陰で助かったなんてのは見たことがない。  全ては運次第。  でも、もしかしたら助かるかも知れない。だから一応は俺もやっておくことにしよう……まだ死にたくないから。  数分後、俺達が乗った飛行機は、着陸に失敗し大破、炎上した。  上下左右が激しく動き、やっぱり堕ちたとか思いながら、俺は意識を手放した。
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