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「……ちょっと」
黒髪ツインテールの美少女は上半身を軽く浮かせ、右人差し指で俺を『びしっ!!』と指す。
「早くおろして」
「はぁ?」
「早くおろせおろせおろせ!!!!」
「えっ……ちょ、まて!! 身体を動かすな。腕がもぎ取れる」
「はぁ!? あんたの腕なんてどうでもいいのよ。このっ……この!」
「わーたから、頼むから落ち着け」
「落ち着いてなんかいられないわよ!! あたしは昼休みまでに終わらせなきゃいけない仕事があるの!!
「まて……今、腕を……」
腕の力を弱める。
黒髪ツインテールの美少女は胸倉を蹴り飛ばすと、綺麗な円弧を描いて廊下に足をつけバックステップ。
「ぐはぁっ……てめ、殺す気か!?!?」
蹴られた胸を右手で押さえながら叫ぶ。
黒髪ツインテールの美少女は両腕を膨らんだ胸の前で交差させる。
「あーあぶないあぶない。階段から落ちた時は頭真っ白で鈍くなっていたけど、あんたみたいな並レベルの男に犯されるのも屈辱だわ」
黒髪ツインテールの美少女はえらいジト目で、まるで俺を生ゴミと勘違いしているような身の引きようだった。
「犯す気はねぇ! あんたはもっと骨折れる覚悟で助けたこの勇ましき身体に感謝すべきだ」
「はぁ!? 誰もあんたに助けなんか求めてないんですけど。もしかして勘違い? 気持ちわる」
……こいつ、うざ。でも、すんげー美人だよな。
意識をしてはいけないと分かっていても、無性に見入っている。
意思の強そうな大きくて黒い目に、整った目鼻立ちで、みずみずしい純粋なピンク色の唇。
膨らんだ胸に引き締まったウエストのモデル体型。
腰まで掛かる、毛先までしっかり手入れされている黒髪ツインテール。
まるで、ラノベの表紙から飛び出てきたかのような、魅力的な美少女だった。
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