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彼女はとある大陸の深い森にいた。
?「ん…あぁ…さて、ここの城を頂くか♪」
目の前にあるのは古びた城。恐らく建設途中で破棄されたのだろう。明らかに小さいのだ。その中にゆっくりと入っていく。
?「お~お~、面倒くせぇのがひい、ふぅ、みぃ……とりあえず…この城から失せろ!!」
彼女から莫大な殺気が放たれた。放たれた相手は魔物と呼ばれた魔王の手下だった奴ら。知性を持っているのがいれば、お馬鹿な奴らもいる。彼女の殺気に耐えられる生物はいなかった。
キキャァァァ!!
逃げるように城からすべての魔物が去っていった。
?「うっし!!これからが大変だなぁ……」
二階からバルコニーに出た彼女は、遠い目で空を見上げた。
彼女は強い。
この世で彼女に勝てる者はいない。魔王でさえも瞬殺してしまった彼女を、人々は尊敬し、軽蔑し、敬った。
世界では彼女の呼び名は
戦慄の戦乙女
桜散る舞姫
世界の護り手
新たなる魔王
破滅の狼
勿論彼女の耳にも届いたが、どうでも良かったので放置したようだ。
彼女は誰にもかかわらず、誰にも知られず、ひっそりとこの古城で暮らすのだった。
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