*いち*

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僕は手渡された物を見て思った。 本当にこの人は大丈夫なのか? やはり関係者を疑われたとしても警察に連れて行った方が良いのか? いや、それとも病院か? そんな事を考えていると、彼はこちらに背を向けて 「それじゃ、」 と片手を上げていた。 「あのっ!…あなたは何なんですか?」 思わずそう聞くと、彼はそのヘルメットの中で笑った気がした。 そしてゆっくりとこちらを向いてこう言った。 「ヒーロー」 「はっ?」 思わずそう言ってしまった。 駄目だ。病院へつれて行こう。 そう決心して上をむく 「あの!……あれ?」 しかし彼はもういなかった。 意味が分からない。 手渡された[お手軽!!変身セット]を見ながらそうおもった。 僕が逃げようかと思った時、彼は口を開いた。 「決めた。これあげる。」 そういって手渡されたのは平べったい箱。 蓋の表面には[お手軽!!変身セット]と書いてあった。 そして先ほどのような事になったのだが… いや、本当に訳が分からない。 夢でも見ているのか? いや、しかしこの箱の重みはしっかりと伝わってくる。 なんなんだ。一体… そして、手の中の箱を更に凝視していると後ろから声がかかった。
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