*いち*

10/19
前へ
/55ページ
次へ
最悪だ。 暗い夜道を自転車を押しながら僕は思った。 あの後、恐る恐る手に掛けたドアを引き中へ入るとお決まりのチョークがとんできた。 老人が投げたとは思えないそれはつい漫画かっ、と突っ込みをいれたくなる程綺麗に僕の額に直撃した。 「おめぇっ!!!なんで遅れたっ!?」 赤い顔でそう怒鳴られ、正直すごくビビった。 遅れた理由… なんと言えば良い? 変なコスプレしてるおじさんに捕まってました? いや、さらに怒られる事うけあいだ… どうすれば良いんだ… 考え込んで黙っていると頭の上に影がふってきた。 まずい!! 殴られるっ!! そう思って身構えていると ポスッ っと、手のひらが頭の上にのった。
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加