*いち*

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「あ゛?いいから隠してねぇで親だせや!!」 そういって手前のヤツが、僕を押しのけ家の中へ入っていった。 「ぇ、ちょっ!!…勝手になんですか!」 そう言うと、奥のずっと黙っていたヤツが口を開いた。 「…お前の親は人に騙されて借金の保証人になったんだよ。…んで、そいつに逃げられ丸々肩代わりって訳だ。」 なんだ、それ… まったく知らなかった。 ウチに借金があったなんて… 「中にはいませんでした。でも、手紙が…」 中に入っていったヤツが紙を手に戻ってきた。 「…ちっ、夜逃げか!オラ、坊主!テメェに手紙だ。」 「へっ…」 そういってヤツは僕に紙を手渡した。 「オイ、松山捜すぞ!」 「へぃっ!」
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