*ぜろ*

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掃除の途中、妙な物を拾った。 黒い布。 よく見ると、ボロボロのソレの端には名前が書いてあった。 “まつやま さい” 4~5歳の子供の手で書かれたような少し歪んだその名前には何か引っかかる物があった。 まつやまさい?なんだ?すごく、聞き慣れたような名前…… 「…誰だ?」 そう呟くも受けとめる人はおらず、言葉はただその場所に響いた。 「……掃除するか…」 少しむなしくなり、多少心残りはあるもののその布をポケットへ入れ掃除を続けた。
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