*いち*

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僕は二年間付き合ってた彼女をその特別なヤツにとられた。 しかも、その彼女は僕にばれるまでそいつと二股をかけていた。 最悪だ。 その事が分かった時 修羅場だった。 いや、そう思ったのは僕だけかもしれない。 とにかく僕はすごいショックを受けた。 冬場の寒いプラットホームで電車を待っていると、彼女とヤツは腕を組んできた 一瞬自分の目がおかしくなったのかと思った。 昨日、デートの後、家におくった僕に 「また映画行こうね。」 と笑って言ってくれた彼女の笑顔が今ヤツに向けられている。 そんな彼女を見ていられなくて 思わず後ろから肩を掴んでしまった。 「……っ!!」 肩を掴まれたのと、その掴んだ相手が僕だったという2つの事に彼女は驚いた。 「…………」 黙りこくる彼女。 それに向かって僕は聞いた。 「どういう事…」 思いのほか、感情のない声に彼女は逆に驚いてビクッと肩を跳ねさせ俯いた。 「…美希はお前をキズつけないようにこういう形をとったんだ。 でも気づけよ。彼氏ならそれくらい。」 ヤツは僕にそういった。 「……ごめんね。そう言うことだから…」 更に追い討ちをかけるように彼女は僕にそう言うと、ちょうど来た電車に二人は乗り込んだ。 窓から見た二人はとても幸せそうに笑っていた。
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