*いち*

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正直当たり前だと思う。 高城にも怒る気はない。 ただ、自分には何故彼を超えられるほどの特別な物が無いのか? そう言う所には嫌気がさす。 美希と高城が楽しそうに喋っているのを見てたら思った。 だから僕は自分の名前が嫌いだしそういう言葉も嫌い。 いや、嫌いになった。と言った方が正しいかもしれない。 でも、嫌いな分それがあったら人一倍喜ぶのは僕。 悲しいけど現実。 そんな事を思い窓の外を見るともう茜色に染まっていた。 しまった、塾が… そんな事を思い、急いで時計をみると短い針は真下を指していた。 僕は急いでカバンを手に取ると玄関の扉を開け、自転車に乗り込んだ。 鍵を開け、スタンドを倒す。 カバンを前カゴに突っ込み、サドルへ跨がる。 ペダルを踏み出し、駅の前の塾を目指す。 後角一つで塾。 そんな所にさしかかると妙な人がでてきた。 自分の前の道を塞ぐのは、 僕が小さい頃見たヒーロー ……の衣装を着た多分50代前後のオッサン。 当たり前だが、今でこそ僕は自分の名前が嫌いだとか言ってはいるがもちろん小さい頃はそんな事はなかった。 いや、むしろ大好きだった。 特にヒーローものは
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