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かっこいい衣装を着てテレビの中を自由自在に動き回る彼。
毎度見飽きる程ベッタベタな展開で敵を倒してめでたしめでたし。
そんな先の読めるようなストーリーだったけど大好きだった。
｢正義の味方、○○マン参上!!｣
その決めゼリフが特にお気に入りで何度も友だちと幼稚園でやっていた。
そのヒーローが前にいる。
いや、ヒーローの姿をした"オッサン"がそこにいる。
全身ピッチピチのボディスーツのような物を着てヒーローベルト。
更には真っ赤なマントまで着用済み。
怪しい
本当に彼に関するそれ以上の感想を100人中100人が持てないと思う。
いや、そもそも今まで通報されなかったのか?
僕が通報した方がいいのだろうか?
いや、僕が怪しまれるかもしれない。
最悪、関係者も疑われるであろう。
しばらく彼を凝視していると、彼の方から僕に向かって歩みよってきた。
歩く度にそのつんつるてんのボディスーツから見えるすね毛にまみれた足首が完成度の低さを表していた。
彼は僕の前で静止した。
｢……｣
｢…………｣
｢………………｣
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