ep1.5 変な女

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「え、えーと幸村さん? くだらねぇ冗談ならやめろよ? 俺キレっからな?」 「残念ながら冗談じゃないんです」 「……」 「佐助?」 「だぁぁああああぁああぁああああぁあああ!!!!!」 「っ!?」 キキーッ!! バイクが急停止する。 さすがの幸も、俺の突然の奇声には驚きを隠せなかったようだ。(つーか俺もびっくりした) 「び、びっくりした……どうしたんですか?いきなり」 「どうしたもこうしたも、いきなりもヘチマもクソもあるか!つーかマジ何だよ!忍隊の長!?そんなの聞いてねぇぞ!?」 「まぁ今初めて言いましたから」 「~~~っ」 クソクソクソ! 確かに今さっき初めて言ったかもしんねーけど、そーゆーのって真っ先に言うもんじゃねぇの!?普通!! …いや、そこは幸だ。 普通とはちょっとズレてるのかもしんねぇ。 俺自身も“普通”からはかなりズレてっけどさ。 「佐助」 「! な、何だよ」 「忍隊のこと、初めに言わなくて申し訳ありませんでした。でもどうしても、貴方に『猿飛佐助』という名を差し上げたかったんです。…『猿飛佐助』は……私にとって特別な名前ですから…」 「はァ??」 俺が間抜けな声を出すと同時に、首を捻って漸くコッチを見た幸と視線がぶつかった。 幸の瞳が今日見たなかで1番哀しそうな眼をしていて、俺は何も言うことが出来なかった。
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