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｢………｣
｢………｣
無言で見つめ合う、俺と幸。
気まずい雰囲気はなかったが、何故か胸が痛くなった。
何だァこれ……
｢佐助｣
｢へ？あ……何だ？｣
｢…私は、変わっているでしょうか？｣
｢？｣
｢出会って数時間しか経っていない相手に忍隊の長という命にも関わる立場の名を与えるなんて、私は非常識な人間なんでしょうか｣
｢…………まァ…“普通”ならありえねぇんじゃねぇの｣
そう言うと、幸の瞳が一瞬だけ揺らいだように見えた。
自分で言っといて何ショック受けてんだよ。
つーかまだ続きがあっから、最後まで聞けっつーの。
｢忍隊の長がどんなもんか知んねぇーけど、忍隊ってだけでタイヘンそーな仕事だと思う。それに幸が言った通り、会って数時間しか経ってねぇ奴にそんな役職をやるっつーのも、かなり非常識っつーか、アリエネーって思う｣
｢……｣
｢でもよ『猿飛佐助』は幸にとって特別な名前なんだろ？ そんな大事にしてる名前もらってんだから、別に忍隊の長なんて屁でもねぇーよ、俺は。まァ俺に長なんて大層な仕事が出来っかどうかは別だけｄモゴッ！！？｣
｢…もう、黙って下さい…｣
幸はつぐんでいた口を漸く開くと、片手で俺の口を塞いできた。
つーかヤベェ！久し振りの女の肌だ！柔らかい！スベスベして気持ちイイ！！
｢……佐助｣
｢ッ！？ ……んぁ？｣
｢優しい、ですね｣
｢ッ！！？｣
……………………。
…一瞬、何が起きたか分かんなかった。
最初はよ、名前呼ばれて、俺の下心がまたバレたんかなーって思ってたんだが………アー……何で俺、幸にデコチューされたんだ？？
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