~TRUE LOVE STORY~

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冬の東京は冷たく、だがビルに瞬くネオンの洪水は瞳に眩しかった。 渋谷に事務所を構える探偵 大野原裕人(おおのはらゆうと)は凍える身体をコートにしまい温かな缶コーヒーに口をつけた。 「ったく…こんな季節までこんな仕事は……」 人知れず舌打ちすると、ようやく居酒屋から出てくるだろうターゲットを見失わないように目をこらす。 「あの親父、いつまで楽しんでんだ」 雪もちらつく中、もう二時間近く立ちすくんでいる。 もちろん趣味ではない。
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