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それから約一時間。今度は俺が正座をさせられていた。
ヤワちゃんは真っ赤な顔で怒っている。どうやらさっきのハンカチ、パンティだったらしい。いやあ、お恥ずかしい。
「な、なんで透かして見たりしたんですかっ」
「いやあ偽物なんじゃないかと思って」
「私のパンツはお札ですか!」
怒った顔もかわええ。反省? してますよ。今度は絶対バレないようにする、うん絶対。
「ねえ、あんまり怒鳴ってるとまたズボン落ちちゃうよ?」
と、まさにそのときヤワちゃんのズボンがスルリと落ちる。俺の小さめのズボンでもブカブカらしい。そしてまたあのハンカチを拝めた。
「み、見ないでください! がっかりです! あなたがそんな人だったなんて!」
ズボンを押さえながらヤワちゃんは涙目になる。写真……一眼レフの高い写真が手元にあったらなあ。がっかりだよ。
「んじゃあさ、家に帰る? 俺ってこんなんだし、危ないよ?」
「うぐっ」
ヤワちゃんは押し黙った。それでも帰りたくないのかこの子は……よほどゾンビ仲間が嬉しかったんだな。
俺のニヤニヤした顔に、ヤワちゃんは頬を小さく膨らませると、そのまま黙って俺の布団へと潜り込んだ。いわゆるふて寝だ。
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