一章 女木直人(メギナオト)

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 俺も続けて健二の布団へ入る。うえ、健二の匂いだ。  そのまま手を伸ばして電灯から垂れるヒモを一、ニ、三。はい真っ暗ー。まあゾンビは夜目だし俺とヤワちゃんには関係ないけど。 「オヤスミ」  一応返事は期待してない。ヤワちゃん俺に背を向けているし。 「……おやすみなさい」  お? 「もう一度言ってく」 「言いません! おやすみなさい!」  なんだ……ツンデレってやつなのかこれ。それともただのバカなのかヤワちゃん。  今日も昨日と同様いろんなことが起きた。災難には代わりないがこうして友達も……友達だよな? 俺の独りよがりじゃないよな? うわっ、すげえ確かめたい! ヤワちゃん起こして尋ねてえ! 「すぅ……すぅ……」  寝たなヤワちゃん。よくもあんなに無防備で寝れるなあ。明日にでも聞けばいいか。  てか明日からヤワちゃんと登下校か……春が、俺に春が訪れるのかコンチキショー!  ま、季節はそろそろ梅雨を迎えますけど。
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