Prologue

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キッカケはそう、ただ目にした、それだけだった 5月9日、小春日の暖かさのなかに気持ちのいい風が吹く 九条由紀乃(くじょうゆきの)は学校の屋上から街を目的もなく、ただぼんやりと眺めていた 時刻はAM11:30 現在、由紀乃のクラスは数学の授業中だ 世間一般にならい、由紀乃も数学を好む分けではない 故に、今、屋上にいる 屋上は由紀乃のお気に入りの場所だ 本来ここは立ち入り禁止になっているが、カギが壊れているのを見つけ、こっそりここに来てはサボるようになった 教師たちもここは封鎖されていると思い疑わないため、探されることはない 、
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