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「ぅー…ん…」
もぞもぞ動きながらとベッドのイモムシはゆっくりと人間に姿を変えた
大きくあくびをすればカーテンを開け、ゆっくりと背伸び、と、元イモムシにしては実に人間らしい
眠い。
まだ、眠い。
それが寝起きの頭でいつも思うことだった
だが
「今日は寝起きがいいなぁ…」
珍しい
機嫌良く階段を降りてそのまま洗面所に行き顔を洗う
リビングに行くとお母さんが仕事に出かける準備をしていた
やっと起き出してきた娘を見るなり呆れたような、それでいて安堵を感じさせるような、母親独特のあの表情を見せた
「由紀乃!もう、やっと起きた!お母さんもう仕事行くから、後は自分でやってね」
「はーい…」
由紀乃の返事を待っているつもりはなかったらしい
5秒後に玄関のドアが閉まる音が聞こえた
、
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