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翌日、ガチャ。と、練習スタジオのドアを開けた。
今日は時間通りの入りに文句も言われないだろう。
昨日、弥生にあんなことを言われたから流石の俺でもしっかりしなきゃな、なんて気分になってしまった。
かと言って張り切って頑張るなんて気分でもねーんだけど。
「いつも兄がお世話になってます」
中に入ると聞き覚えのある声が聞こえてきて、俺はすぐにその声の主に視線を移した。
「や、弥生!どうしてお前がこんなトコに!?」
そこには昨日押し掛けてきた弥生が、メンバーに向かって頭を下げている姿があった。
「あ、来た。何よ、遅いじゃない。遅刻ギリギリ」
「ギリギリでも遅刻はしてねーだろ。それより何でお前がいんだよ!?」
「それはお世話になってる皆さんに挨拶しに来たに決まってるでしょーが。あ、皆さん、コレうちの地元の銘菓なんですけど食べて下さい」
「おい、弥生、やめろって」
昨日山のように持ってきていた土産の箱を手渡す弥生の腕を引っ張った。
でも、そんなこともろともせずに弥生はそれを村上に渡すとニコリと綺麗に微笑んだ。
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