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和泉へ。
解ってる―
つもりだった。
俺にも、和泉にも、これは必要なことなんだと。
この距離と時間を乗り越えれば、また共に生きていけるんだと。
和泉を支え、
和泉を護ってやれる―
俺の心配なんかせずに、素直に泣かせてやれる
そんな俺になりたくて
解ってる―
納得してる―
はずだった。
でも、残された時間が減っていくのを肌で感じながら思ってしまう。
和泉を見ていたい。
和泉に触れていたい。
和泉を感じていたい。
ただ一緒にいたい―。
その感情だけでは、どうしていけないんだろうか。って、思ってしまう。
もうすぐ、抱きたい時に抱きしめられなくなるのが判っているから。
悲しくて、
哀しくて、
カナシくて、
そんなすぐに、
何もかもを受け入れられる、
立派な大人になんか
なれやしない―。
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