分からないなんて言わせない

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"坂田銀時"万事屋という如何にも胡散臭い店を営んでいる店主だ 遠くからでも目立つような銀髪 男のくせにやけに白い肌と華奢な体 こいつとはどうも思考が似通っていてよくばったりと遭遇する まさに今この時だ 時刻は夜の11時をまわろうとしていた 今日は仕事で疲れたし一人ゆっくりと酒でも…と思い居酒屋にくればこいつがいた 「「げ……」」 ぴったりのハモリぐあい 「てめぇ何でこんなところにいやがる」 「あぁ?てめぇにゃ関係ないだろうっぜーな」 その挑発してくるような言葉に俺のこめかみから音がしたような気ががした 「…上等だコラ表でろ」 「はぁ?意味わかんねぇし」 「ふん負けるのが怖いのか」 ありきたりな買い言葉に売り言葉 それに乗ってしまうのもこの二人の性 二人は店の外に出れば人があまり通らないようなところにいった 「かまえろ…」 「は?…ほんとお前どうかしたのかよ…なんかおかしい…」 そう言って銀時が土方の肩を掴んだ瞬間 鈍い音がした 「って……」 ドシャっと銀時の体が地面についてしまう 土方は肩で息をしながらこちらをみていて 「なにしやがるてめぇッ!!」 これには流石に銀時もキレた 土方をギンと睨みながら怒鳴りつければ土方は眉間にしわを寄せたまま鼻でふん、と俺を一蹴して帰ってしまった 「わけわかんねぇしッ…!…何なんだよあいつッ!」 ひとしきりそこで文句をいったあと がしがしと頭をかき鈍く痛む赤くなった頬をおさえながら銀時は一人家路を歩いていた
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