分からないなんて言わせない

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旦那が"女"だって 総悟に聞かされた耳を疑るような言葉 女?誰が? あいつが? 万事屋が? そういや男のくせに細いし白いとは思ってたが… ずっと男の格好だし 口調だって女にあるまじきものだった 柳生の時には気付いたんだがな… それなりにあいつとは会ってたし 何故気づかなかった 俺はずっと奴を好いていた 俺はずっと諦めていた あいつが男だと思っていたから この想いはずっと隠してきたのだ 「っ…銀時ッ!!」 はじめて呼んだあいつの名前 「んだよ多串くんまぁた喧嘩でも売りに来たの?」 「ちげぇよ!!」 「じゃあ何なんだよ、俺みるたびに眉間にシワ寄せて…そんなに俺が嫌いなら会わなきゃいいだろ」 背中を向けたままの銀時 総悟に女だということを言われてからはじめてみた相手の背中は前よりもずっと小さく見えた 「お前、女何だってな…」 その言葉に小さく跳ね上がる背中 今あいつはどんな顔をしてるだろうか 「あーぁバレちゃった?」 銀時はこちらを振り向けば、なぜだか今にも泣きそうな顔をしていた 「わりぃ…顔…赤くなっちまって」 「気にすんなよ…今までにも何回もこういうことあるだろ?今更だ今更…あー…多串くんには正直バレたくなかったよ、だって俺多串くんとの今の関係けっこう好きだったんだよ?飲んで殴って罵りあって…友達みたいでさ」 「俺はお前を一度も友達なんぞと思ってたことはねぇ」 「…あっははーだよね、俺のこと嫌い何だもんね、ごめん今のなし…んじゃ俺帰る……っ」 銀時がしゃべり終わるまえに銀時をぎゅっと抱き締めたはじめて抱き締めたその体はとても細く女のものだった。 「ひ、土…方…っ?」 「俺は…」 今度こそ伝えようお前が好きだと 振られても構わない、お前を愛していると
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