夢の狭間に

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ディエ・ディークも改めて思い出す。 そうだ、この金の髪をした、春の花を撒き散らす微笑みを武器とする男は、現法王だった。 「……聖霊の刻印を得ると、その下の精霊たちは、格段に友好的になります。護ってくれるようになる、と言ったほうがわかりやすいですか」 いや、まったく、とはディエ・ディークの心の声だ。 精霊が人を護る、という想像が難しい。 「ディも、今回は時に救けられていますよ。額に刻印を得たでしょう?」 言われて、記憶を探った。 暗い部屋の白い炎の前で、時の翁が額に触れてきたのを思い出し、ディエ・ディークは納得する。 「祝福と言ったのは、それか」 翁はうなずく。 「そう。そなたの額には我の印が刻まれている。そなたは時間という後ろ盾を得たのだ。大事にあつかえ」 大事にあつかえ、と言われても、使い方も使い道もわからない。
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