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「今日がこんなによく晴れた朝で、わたくしも嬉しく思いますよ。本当によかった。それでは、本日の主役たちのお顔を、早く見せてもらいましょう」
今度は左に立つ者が声を発した。
声は隅々にまでよく透り、広間の端で目配せを交わしていたご婦人がたも、そちらに注目する。
背格好は幾らかがっしりとして、男服が似合いそうな女性だった。
優雅なドレスも、それは美しく着こなしていた。
四十代にさしかかったあたり、と見受けられる。
広間に視線を巡らせ、その動きにあわせて、耳飾りがきらりと光を反射する。
純度の高い、赤色の玉が、人々の目を引いた。
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