prologue

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彼の瞳にあたしが映っていると思うと恥ずかしくて死んでしまいそうだった。 「…あ、そうだ!テレビジョン買ってこ~」 「お前!!変態てなんだ!変態って!!ああそりゃ大変だ」 こっちは動悸息切れで死にそうなのに。 何をお笑い芸人みたいなことを言ってるんだか。 しかも自分で言った台詞に爆笑してるし。こっちは全然笑えないよ。 誰かお願い 動悸息切れめまいの救心プリーズ。 そんなこんなで、しばらく彼もお目当ての雑誌を手に、あたしもテレビジョンで番組をチェックしながら優しい沈黙が流れた。 最初に口を開いたのはあたし。 「ハッシー、今日も残業?」 ドキドキしつつも、カモフラージュでテレビジョンに夢中な振りをして聞いてみる。 「…ハーイ残業ですよ。お疲れですよ」 ジャンプを立ち読みしながら彼が隣で答える。 「それはそれは、ご苦労様です」 「…おっ前、絶対他人ごとだと思ってるよな」 呆れた顔で嘆く彼。 てかジャガーさん読みながら真面目な声出すな!
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