prologue

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でもこんな時、 素直に「お疲れ様」と優しい言葉をかけられない自分が悲しくなる。 どうせあたしは可愛くない。 「俺ァ大変なんだぞ、お前達のことでどれだけ頭いっぱいか…」 「職場を一歩出たら、仕事の話はしないんじゃ~なかったっけ?」 「…………」 若干の沈黙の後、 ハイそうでした。ごめんなさいと気まずそうに謝る彼。素直過ぎて逆に腹立たしいな。 てか、なんであたしは憎まれ口ばかり叩くんだろう。 ああ~もうっ! 「コレっ!」 「は?」 あたしが差し出した右手に彼が釘付けになる。 あたしは動作停止中の彼にお構いなしに持っていた物を押し付けた。 「栄養ドリンク!差し入れだよ」 じゃねっと短く言ってあたしはパタパタとコンビニを出た。 これが今の水嶋南未の精一杯です。 よく頑張ったよあたし。よしよしじゃあ帰ろう。 自分で自分にグッジョブと褒め称えながら自転車に乗ろうとすると 「…水嶋~」 後ろからあたしを呼ぶ声がした。 「はい?」 振り向くと頭をがしがし掻きながら、彼がドアの前に立っていた。
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