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又三郎のシュン…っと垂れた耳と涙目の上目遣いは反則的なものだった。
そして、反則的とはその胸にも言えることだろう…
玉藻ですら大きく感じたが
又三郎のものはそれよりも大きいのだ…
おそらく
ふくよかだった猫の時の肉は
すべて胸にいっていると見て間違いないな…
「聖夜ぁ……」
玉藻一人ですら理性を保っているのが精一杯というのに、
そこに又三郎まで加わったら
俺は果たして大丈夫なのだろうか…?
だが、又三郎は3年も一緒に過ごした大切な家族…
「玉藻…
又三郎は…」
俺は玉藻にそれを伝えようと口を開いたが
そこから先は玉藻の指により塞がれてしまう。
「みなまで言わずとも
ぬし様の事はわかっておる
しかし…」
玉藻と又三郎の間に火花が散ったような気がした。
「わらわのぬし様は渡さぬからな?」
「ボクは聖夜と3年も過ごしてるんだ
ボクの方こそ渡さないよ!」
そんな二人の様子に
俺は大きくため息をつく。
先が思いやられるな……
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