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家に着いた頃にはすっかり日は陰り
寒さはより一層厳しいものへとなっていた。
はぁ…
結局なにも浮かばずに家に着いてしまった…
大きなため息が綺麗な星空に白い靄をかける。
「寒いのぅ
このままでは凍えてしまう
早ようぬし様に暖めてもらわねばな?
ほれ?
どうしたんじゃ?
鍵を開けてくれぬか?」
「わかった
わかったから大きな声を出さないでくれ」
穂乃香に見られでもして
誤解なんかされた時には殺されかねないからな…
隣の家に目を向けると
穂乃香の部屋の電気がついていないのを確認し
安堵の息をつきながら玄関の鍵を開けたのだった。
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