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取り敢えずストーブのスイッチを入れ
又三郎の話を聞く事にしたのだが……
又三郎の話は
俺にはまったく理解できないものだった…
しかし、隣に座る玉藻の様子を見ると
ため息をつきながらも納得をした様子なので
どうやら玉藻は又三郎の話を理解できているようだ。
「なぁ…
俺にはまったく話が理解できないんだが…」
そう俺は二人へと声を掛ける。
そして、
それに玉藻は再びため息をつきながら口を開く。
「分かりやすく説明するとじゃな?
この小娘は 猫又[ネコマタ]じゃ」
「猫又?」
「うむ
わらわ妖狐と同じようなものじゃな?」
妖怪ってことですか…
「猫が猫又になるのにはの?
十余を越える長い歳月を掛けて
その身に妖力を溜め込む必要があるんじゃ」
「?
でも、俺が又三郎を拾ってきたのは3年前だぞ?
しかも、その時の又三郎は目も開かない産まれて間もない子猫だったんだ」
そんな子猫だったから性別がわからずに
メス猫にもかかわらず
又三郎って男気溢れる名前をつけちまったんだからな…
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