又三郎…?

9/26
897人が本棚に入れています
本棚に追加
/97ページ
取り敢えずストーブのスイッチを入れ 又三郎の話を聞く事にしたのだが…… 又三郎の話は 俺にはまったく理解できないものだった… しかし、隣に座る玉藻の様子を見ると ため息をつきながらも納得をした様子なので どうやら玉藻は又三郎の話を理解できているようだ。 「なぁ… 俺にはまったく話が理解できないんだが…」 そう俺は二人へと声を掛ける。 そして、 それに玉藻は再びため息をつきながら口を開く。 「分かりやすく説明するとじゃな? この小娘は 猫又[ネコマタ]じゃ」 「猫又?」 「うむ わらわ妖狐と同じようなものじゃな?」 妖怪ってことですか… 「猫が猫又になるのにはの? 十余を越える長い歳月を掛けて その身に妖力を溜め込む必要があるんじゃ」 「? でも、俺が又三郎を拾ってきたのは3年前だぞ? しかも、その時の又三郎は目も開かない産まれて間もない子猫だったんだ」 そんな子猫だったから性別がわからずに メス猫にもかかわらず 又三郎って男気溢れる名前をつけちまったんだからな…  
/97ページ

最初のコメントを投稿しよう!