897人が本棚に入れています
本棚に追加
「だから、又三郎は3歳くらいのはずだぞ?」
「うぬ…わらわが原因じゃ」
「玉藻が?」
その言葉に二人が頷く。
「ぬし様
わらわの狐火を覚えておるかえ?」
昨日のあれか?
「あぁ、それがどうしたんだ?」
「狐火には妖狐の力が籠もっていての?
つまり
妖力の塊というわけなんじゃ
昨夜のは灯りだけの狐火じゃったから
そこまで妖力は強くなかったんじゃが…」
そこで一旦止めた玉藻は
俺から又三郎へと視線を移すと言葉を続ける。
「この小娘…
灯りだけで触れても無害と知るやいなや
わらわの狐火から妖力を吸収しおったようなのじゃ…」
いくら強くない妖力とは言えども
そこは九尾の妖力…
猫又になるためには十分な妖力を持っていたということか…
「人間になった経緯は理解できたが…
又三郎…
お前はどうして
わざわざ玉藻の狐火に触れてまでして猫又になったんだ?
何か理由でもあったのか?」
最初のコメントを投稿しよう!