又三郎…?

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そう口にした途端に 又三郎の顔が真っ赤になり目が血走り始める。 「?」 そんな又三郎のモジモジとした様子に 声を掛けようとした時だった。 「ぼっ、ボク… 寂しかったんだ…」 「寂しかった?」 又三郎はゆっくりと話だす。 「聖夜が修学旅行の間… ボクずっと一人ぼっちで… だから、聖夜が帰ってくるのをずっと待ってて… それなのに 帰ってきてくれた! って思ったら 聖夜にまとわりつく女狐が……」 「誰が女狐じゃ!!」 落ち着け玉藻… お前が又三郎を泥棒猫と言ったのと同じだからな? てか お前は狐だろ… 「聖夜にかまってほしくて… だけど言葉は伝わらないし… だから、その… ボクが人間になって 寂しかった って、言葉で伝えられるようになったら それでボクがもっと甘えたら 聖夜はもっとボクを可愛がってくれるかな? って思って……」  
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