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腕くらいなら別にいいか…
「ほら」
俺が右腕を前に差し出した時だった。
「うぬ」
「むっ」
二人の手が腕に絡みつき…
「わらわが先じゃ!」
「ボクが先だよぉ!」
「おっ、おい
あんまり引っ張るな…って
うぉっ!?」
「うぬぅっ!?」
「にゃぁっ!?」
いきなり腕を引っ張られた俺は
バランスを崩すとその腕に引かれるようにしながら
玉藻達へと倒れこんでしまい
それと共に浴槽からは大きな水しぶきがあがった。
「いつつ…
お前ら大丈夫か?」
肘など数ヵ所に残る痛みに顔を歪ませながらも
二人へと声を掛け
「ったく…
俺の腕は二本あるんだから
取り合いなんてしなくてもいいだろうが…」
更にそう口にすると
体制を立て直そうと体に力を入れた。
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