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『えぇぇえぇええ!!あたし聞いた事ないですよ!パパの形見なんて!』 『実はこの形見にもエピソードがあるんですよ、お聞きになりますか?』 『勿論です!』 空くんも純ちゃんもバカ。 あたし形見なんて知らないしィィイイ。 『剛喜さんは大変子煩悩でした。 空さんが生まれた際には、空色の勾玉のネックレスを。 純さんが生まれた際には、美しい鏡を。 そして真さん、アナタが生まれた際にはこのドスを。 あの事故の時に、常に身につけていらした勾玉と部屋に飾られていた鏡は見つかり、空さんと純さんにお渡ししたのですが。 このドスだけは見つかりませんで。 香代さんが姿を眩ませて暫く経った時に、ひょこっと出て来たので。 渡しそびれてしまいました』 あー!! 知ってるカモ…! 空くんいつも勾玉のネックレス付けてた! 純ちゃんの鏡はワカンナイけど。 隠してたなんてヒドっ。 『あのォ、"ドス"ってなんですか?』 『ああ、スミマセン。ドスというのは短剣の事ですよ。ほら』 そう言われて刀を抜かれる。 ヒィィイイイ!! パパのバカ!! あたしだって鏡とかネックレスとか、そういう可愛いのがよかった……! 『何で、あたしだけドスなんでしょうか……。仮にも女子なんですけど……』 泣きたい。 よりによってドスって。 選択肢は色々あっただろうに。
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