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『実は今日あたしの分、貰って来た』 バックからド……短剣を取り出した。 『『ブハッ!!』』 さすがあたしの兄弟。 二人は見事に吹き出した。 『ちょっと待ってェ、アンタまさかそれな訳!?』 『おまっ、ドスかよ!!俺が可愛いネックレスと交換してやるから』 ゲラゲラと笑い転げる二人。 ムカつくんですケドォー。 あたしだって好きでコレじゃないんだよバカヤロー!! 笑い過ぎてヒィヒィ言いながら、空くんが口を開いた。 『"空のように寛大であり、寛容であれ"』 『え?』 『勾玉の裏にさ、そう彫ってあんの。なぁ、純のは何だっけ?』 空くんにズイッと近寄って、勾玉を見てみると確かに書いてある。 『"清みやかで純なる心を賜う"だよォ。ホラ見てみ』 純ちゃんの傍に行くと銀色のキラキラとした鏡を手渡された。 凄く綺麗……。 お姫様の鏡みたい。 正直、羨ましい。 『……真は何て書いてある?』 空くんの言葉を受け、文字を探してみる。 あ、あった。 油性ペンかなんかで書いてくれたらいいものを、彫ってあるせいで気付かなかった。 ……目を背けてたのもあるけど。 『えっとねェ、まことの、みちを…』 そこまで口に出してビビビッと背筋に電流が走ったかのような感じがした。 『真ォ?』 『どうかしたか?』 ―――パパ。 あたし、ドスでよかったよ。 ありがとう、ありがとうね。 『"真の道を極めてしがな"』 今のあたしにピッタリだと思うから。
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